「楽園とは“場所”ではなく、“心の状態”だとしたら、あなたはいま、どこにいますか?」
神との調和が乱れたとき、楽園は閉ざされました。
けれども、日々の選択と姿勢のなかで、私たちは“楽園への回帰”を始めることができるのかもしれません。


Message 28 :楽園の喜びについて
本文
楽園とは、まさに喜びに満ちた場所のことです。
そこには花々や草木のみずみずしさが広がり、芳しい香りを放つ香草が咲き誇り、祝福された魂たちの喜びに満たされています。
この楽園は、乾いた大地に潤いを与える源でもあります。
大地に力を供給するその様子は、ちょうど魂が身体に力を与えるようなものです。
また、この楽園の中には、影や罪人の堕落による暗黒が存在しません。
常に清らかで、神聖な光と命にあふれた場所なのです。
キーワード解説
🔹 1.「楽園とは“喜びに満ちた魂の故郷”」
- ヒルデガルトは楽園を、祝福された魂が集い、永遠の喜びを味わう霊的な聖域として描きます。
- そこには神との調和があり、人間本来の姿が回復される場所でもあります。
🔹 2. 「花々と香草が象徴する“霊の清らかさ”」
- 色とりどりの花や芳香を放つ香草は、魂の純粋性や祈りの香りを象徴します。
- 自然の美は、神の創造の完全性と愛の表現でもあるのです。
🔹 3. 「“潤い”は神からの癒しと生命力」
- 乾いた大地に注がれる潤いは、神の慈愛と癒しの象徴です。
- 霊的な渇きに悩む者にとって、楽園は心と体の回復をもたらす源泉となります。
🔹 4. 「楽園は“魂が肉体に力を与える”ように、世界に影響を与える」
- 楽園の力は、魂が肉体を活かすように、この世界の秩序と調和を支えています。
- つまり、楽園は現世とのつながりを持ち、神の意志が流れ込む通路ともいえるのです。
🔹 5. 「“影や罪”は楽園に存在しない」
- 罪や死がもたらす暗黒は、楽園には一切入り込むことができません。
- それは、神の光だけが満ちる完全な領域であることを意味します。
🔹 6.「人は“真の楽園”に回帰することを望まれている」
- 楽園は過去の失われた場所ではなく、神との再会を果たす未来の目的地として語られます。
- この地上での信仰と愛の歩みが、再びその扉を開く鍵となるのです。
Message 29 :なぜ神は人間を罪を犯しうる存在として創られたのか
本文
ですから──
心の中で「なぜ、こんなことが?」と思っているあなたよ、どうかこの声に耳を傾け、理解してください。
ああ、なぜそんなにも愚かなのでしょうか。
あなたがたは、神のかたちと似姿に創られた存在であるというのに。
それほどまでに大いなる栄光と尊厳を与えられていながら、それがまるで空虚な容器のように、何の試練もなく存在できると本気で思っているのですか。
黄金は火で試され、宝石は磨かれてこそ輝きを放ちます。
そのように、価値あるものはすべて精査と練磨を経るのです。
それゆえに、神のかたちに創られた人間もまた、ほかのすべての被造物よりも厳しく試されるべき存在なのです。
そして、人はすべてのものによって試されます。
どう試されるのでしょうか。
- 霊は霊によって
- 肉は肉によって
- 土は水によって
- 火は冷たさによって
- 闘いは抵抗によって
- 善は悪によって
- 美は醜さによって
- 貧しさは富によって
- 甘さは苦味によって
- 健康は病によって
- 長さは短さによって
- 硬さは柔らかさによって
- 高さは深さによって
- 光は闇によって
- 命は死によって
- 楽園は罰によって
- 天の王国は地獄(ゲヘナ)によって
- 地上のものは地上のもので、
- 天上のものは天上のもので──
このようにして、人間は楽園においても、地上においても、地獄においても試され、その後、天へと招かれるのです。
あなたがたは、真実のうちのほんのわずかな一端しか見ておらず、
多くのものが、その目から隠されています。
それなのに、なぜ正しく、明白で、正義にかなったものを見くびり、神の目においてすべての善の中の善とされるものを不当だと決めつけるのですか。
神は正義そのものです。
けれども、人間は神の戒めに背き、自分たちが神よりも賢いかのようにふるまうとき、不正な存在となってしまうのです。
キーワード解説
🔹 1.「神の似姿としての人間」
- 人は、他の被造物には与えられなかった「神のかたちと似姿(Imago Dei)」を与えられた特別な存在です。
- それゆえ、単なる祝福の器ではなく、「試されるべき尊厳」を内包しています。
🔹 2. 「栄光には試練が伴う」
- 火で精錬される金、磨かれて輝く宝石のように、与えられた尊さや価値は、試練を通じて明らかにされるものとされています。
- 人間の自由意志は、この“試し”によって成熟していきます。
🔹 3. 「被造物すべてが“試金石”となる」
- 霊と霊、肉と肉、貧と富、病と健康……
世界にあるすべての存在は、人を照らし出す鏡や試金石のような役割を担っています。 - 対極や葛藤こそが、魂を鍛える舞台となるのです。
🔹 4. 「三界での試練:天・地・地獄」
- 人は「楽園(始原の無垢)」「地上(現実の戦い)」「地獄(苦しみと報い)」のすべてにおいて試され、最終的に「天上」へと昇る道が開かれます。
- これは人間の魂の壮大な旅路を象徴しています。
🔹 5. 「知覚の限界と驕り」
- 私たちは、神の計らいのほんの一部しか見えていません。
- それなのに、自らの正義で神の意図を裁く傲慢が、もっとも大きな不正となるのです。
🔹 6. 「神の正義 vs. 人間の不正」
- 神の掟は決して不当ではなく、「創造の秩序と愛に基づいた絶対的な善」です。
- それに対し、人間の“思い上がり”こそが罪の根源として描かれています。
🔹 7. 「試されることの意味」
- 人は「なぜ罪を犯す自由が与えられたのか」と問いますが、それは自由な意志によってこそ、真の善や愛は証明されるからです。
- 神は人間を信じている──だからこそ、試されるのです。
Message30:「人は、最も低いことすら理解できぬのに、なぜ最も高いことを知ろうとするのか」
本文
ねえ、人間よ、あなたに問います。
あなたは、魂も肉体もまだ持たない状態のとき、自分が何であったかを知っていますか。
──本当は、自分がどのようにして創られたのかさえ、分かっていないのです。
けれども今、あなたは天や地を探求しようとし、神の采配の中にある「正義」をも裁こうとしています。
あなた自身が、最も低いもの(=肉体の仕組みや命の消滅)すら理解していないのに、どうして最も高次のものを知ろうとするのですか。
あなたがどのようにこの身体の中で生きているのか、また、いかにして肉体から離れるのかさえ、あなたは知らないのです。
けれども、あなたを最初の人類の中において創造されたお方──
その神は、これらすべてをあらかじめ見通しておられました。
そして、その最も優しく慈愛に満ちた御父は、そのひとり子を人々のために遣わし、死に至らせ、人類を悪魔の支配から解き放してくださったのです。
キーワード解説
🔹 1.「自らの起源を知らぬ人間」
- ヒルデガルトは、「魂と肉体を持つ前の自分を人は知らない」と断言しています。
- これは、人間の存在がいかに神秘に包まれているかを示し、「知っているつもり」という傲慢への警鐘でもあります。
🔹 2. 「下位の理解なくして、上位の探究はならない」
- 人間は、自身の身体の仕組みや死のプロセスすら把握できていない。
- それなのに天や地、神の計画の“正しさ”にまで口を出すのは不遜である──ヒルデガルトはこの構図を知的な驕りと見抜いています。
🔹 3. 「創造主の全知性と摂理」
- 人が知らないすべてを、創造主である神はあらかじめご存じであると語られます。
- これは、神の計画は常に先見的であり、無駄も誤りもないという信頼の表現です。
🔹 4. 「“知る”のではなく、“委ねる”」
- 高次の世界や神の正義を論理で裁こうとするのではなく、信頼し、委ねる。
- これは、ヒルデガルトの霊性観における「知の限界を受け入れる」という態度です。
🔹 5. 「神の愛の証としての贖い」
- 神は、すべてを知ったうえで、そのひとり子をこの世に遣わし、人類を救った。
- これは神の采配が「愛と救いの意志」そのものであることを示しています。
🔹 6. 「“探求”の罠と“受容”の力」
- 知的探求は大切だが、それが謙遜さを失わせたとき、人は霊的に迷子になる。
- 大切なのは、“なぜ?”よりも、“与えられたことの意味を受け取る”態度なのです。
🌿 まとめ|人はなぜ試され、なぜ知らされないままに生きるのか
メッセージ28〜30では、ヒルデガルトを通して「楽園」「試練」「無知」についての霊的洞察が語られます。
いずれも、“人間の自由と尊厳”が試されるテーマであり、
私たちが神の創造と秩序にどう向き合うべきかを静かに問いかけています。
神は、楽園という「完全なる喜び」の場所を与えられましたが、
それは「試練を越えた者」に開かれる真の祝福の場であり、
人間はあらゆる存在との関係を通して、その魂の真価を問われているのです。
それゆえ、神が人に試練を許すことも、すべては愛と救いの計画の中にある──
ヒルデガルトはこの深遠な真理を、時に厳しく、時に優しく伝えてくれます。
✨ 浮かび上がるテーマたち
- 🔹 楽園とは、選ばれし魂が至る「愛と喜びの園」
- パラダイスは、花と香草、霊魂の喜びに満ちた、神の愛の完成形として描かれます。
- それは、ただ与えられる場所ではなく、霊的な再生と選びを経た魂だけが至る聖域なのです。
- 🔹 人は「試される存在」として創られた
- 神は、自由意思を与えられた人間に「なぜ罪を犯す可能性を与えたのか?」という問いに、ヒルデガルトは明確に答えます──「価値あるものは、必ず試されねばならぬ」と。
- 人間はすべての存在(善悪・高低・美醜など)との対比を通じて、魂の本質を明らかにされるのです。
- 🔹 知らぬことを知ろうとする傲慢から離れる
- 「自分の生まれる前のことも、死後のことも知らない」人間が、天と地の仕組みや神の裁きを論じようとする──それは知の傲慢に他なりません。
- ヒルデガルトは、「知らされぬこと」を嘆くのではなく、受け入れ、委ねることの尊さを語ります。
- 🔹 信仰とは、“試される道”を歩むこと
- 神が私たちを試されるのは、罰するためではなく、愛し育てるため。
- それは、御子をこの世に遣わし、人類を救おうとした神の愛にすでに証されています。
- 「知ること」より「信じること」「応えること」に、魂の成長の鍵があるのです。
✨Vision II:「創造と堕落」に添えられた33のメッセージ
【メッセージ目次一覧】
Session.1 天使の忠誠とルシファーの堕落、地獄の創造
Message 1~3 誇りと忠誠の狭間で
Message 4-6 地獄・堕落・神の秩序
Session.2 地獄の存在、悔い改めの重要性、悪魔の欺瞞、結婚の神聖さ
Message 7-9 悔い改め・欺き・原罪
Message 10-12 誘惑・結婚・創造
Session.3 欲望の制御、近親婚の禁止、キリストによる償いの役割
Message 13 結婚・欲望・悔い改めと救い
Message 14-15 罪なき御子と魂の救い
Message 16-18 神の秩序と血の尊厳についての教え
Session.4 結婚における成熟と秩序、性の倫理、純潔の価値
Message 19-21 神殿の純潔と性の秩序
Message 22-24 貞潔と欲望のはざまで神とつながる道
Session.5 神のまなざしに照らされる人間の自由と責任
Message 25-27 創造の秩序と神の呼びかけ
Message 28-30 人間が試される理由と楽園の真意
Session.6 人間の救済と、謙遜と愛の重要性
Message 31-33 謙遜と愛の力で悪を砕く
※Scivias、またはヒルデガルドについては、こちらをご覧ください。
Scivias ― ヒルデガルトの神秘ヴィジョン集
※Scivias (英語版)原文:コロンビア大学https://www.columbia.edu/itc/english/f2003/client_edit/documents/scivias.html
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