「“信仰”とは、ただ信じることなのか、それとも行動を伴うものなのか?」
信じると口で言うだけではなく、その信仰が日々の選択や行動に表れてこそ、真の意味を持ちます。
あなたの信仰は、今どのように生きているでしょうか?


Message 10:イブの返答によって、悪魔は木が禁じられていることを知った
本文
悪魔は、この木が禁じられていることを、彼自身の知識によってではなく、巧妙な問いかけと、それに対する人間の返答によって確かめたのです。
それゆえ彼は、その光輝く場所で、白い雲に向かって息を吹きかけました。
この白い雲は、美しい人間の姿から発せられ、無数の星々をその内に宿していました。
なぜなら、その喜びに満ちた楽園の地において、イブ──まだ無垢な魂をもつ存在であり、無垢なるアダムから生まれ、その身体には全人類の源を宿していた彼女は、神の予定の光を帯びて輝いていたからです。
しかしその彼女は、蛇を通じた誘惑によって、悪魔に侵されてしまったのです。
なぜ、イブだったのでしょうか。
それは、悪魔が知っていたからです──
女性の感受性のほうが、男性の強さよりも征服しやすいということを。
そして彼は見ていました。
アダムが、聖なる愛によってイブに激しく心を燃やしていたことを。
だからこそ悪魔は考えたのです──
イブさえ打ち倒せば、アダムは彼女の言うことを何でも聞くだろう、と。
こうして悪魔は、白い雲と人間の姿をその場から追放したのです。
すなわち、あの古の誘惑者は、イブとアダムをその祝福の座から欺きによって追い出し、滅びの闇へと突き落としたのです。
どうやってでしょうか。
まずイブを惑わせ、彼女がアダムを甘く誘惑し、優しく語りかけてその同意を引き出すように仕向けたのです。
というのも、イブはアダムの肋骨から造られたため、他のどの被造物よりも、アダムを不従順に導く力を持っていたからです。
ゆえに、女性は、男性がそれを拒まず、言葉を簡単に受け入れるならば、たちまち彼を打ち倒してしまうことになるのです。
キーワード解説
🔹 1.「巧妙な問いかけと返答によって確かめた」
- 悪魔は木の禁忌を最初から知っていたわけではなく、会話の中から“人間の口”を通して神の掟を探った。
- これは、「言葉を通して入り込む霊的欺き」の構造を示しており、質問の形で真理をゆがめ、相手の言葉から隙を見出す悪の戦術を象徴しています。
🔹 2. 「白い雲」
- 神の恩寵や無垢の象徴。ここでは、美しく純粋な魂(イブ)から発せられる霊的光のイメージです。
- しかし、そこに悪魔が息を吹きかけたことで、「神からの光に触れようとする偽りの侵入」が起こります。
- これは、「聖なるものほど、欺きの標的となる」という霊的真理を示唆します。
🔹 3. 「美しい人間の姿」「無数の星」
- イブは神の予定(preordination)により祝福され、全人類の命を内に宿す存在として輝いていました。
- “星”は命の象徴であり、一人の魂に未来の人類すべてが秘められているという壮大な神秘が示されています。
🔹 4. 「感受性は強さよりも征服されやすい」
- ここでは女性性を否定するのではなく、霊的に開かれたものほど誘惑にさらされやすいことが語られています。
- 感受性が高いということは、「受け取る力」があるということ。
- それは同時に、「何を受け取るかによって運命が変わる」という霊的構造でもあります。
🔹 5. 「アダムの愛と従順」
- アダムはイブを深く愛していたがゆえに、彼女の言葉に同意し、道を誤った。
- これは、「愛という絆が、時に判断力を曇らせる」ことを霊的に示す一節です。
- ヒルデガルトは、人間関係の中でこそ信仰の試練が生まれることをここで象徴しています。
🔹 6. 「肋骨から造られた者が、最も深く影響を与える」
- イブはアダムの一部から生まれたがゆえに、他のいかなる被造物よりも彼に近く、影響力を持っていた。
- この構造は、「最も身近な者が、最も強く導きにも誘惑にもなる」という霊的かつ人間的な関係性の本質を示しています。
🔹 7. 「女性は拒まれない限り、男を倒す力を持つ」
- これはヒルデガルト独自の強い警句であり、人間の弱さを「甘さ」と「信頼」に託して語る霊的警告です。
- 「拒まれない」とは、霊的判断を停止した状態を意味し、感情や関係性に流されたときに信仰のバランスが崩れることを描いています。
Message11 :結婚において守るべきこと・避けるべきこと
本文
成熟した女性は、幼い少年ではなく、成熟した男性──すなわちアダムに与えられました。
だから今も、成熟した女性は、受胎にふさわしい年齢に達した男性と結ばれるべきなのです。
ちょうど、木が花を咲かせ始める時に適切に耕されるようにです。
イブはアダムの内に宿る熱と活力によって、その肋骨から形づくられました。
ゆえに今もまた、女性が子を宿すには、男性の力と熱によって種(精)が与えられるのです。
男は「種を蒔く者」であり、女は「種を受け取る者」です。
このことから、妻は夫のもとに置かれるのです。
それはちょうど、男性の強さが女性の感受性に対して、石の硬さが土のやわらかさに相当するようなものです。
✨ 肉体の結合は、神が創られた神聖な一致
最初の女が男から造られたということは、妻が夫に結ばれるべきであることを意味します。
この結びつきは、虚しく行われてはならず、神を忘れて行ってはならないのです。
なぜなら、女を男から創り出された神こそが、この結びつきを敬虔かつ尊いものとして定められたからです。
肉から肉を形成する、神の神聖な業なのです。
だからこそ、アダムとイブが一つの肉となったように、今もまた、男と女は「聖なる愛の一致」の中で一つの肉となり、人類の繁栄のために結ばれるのです。
この二人の間には、かつて最初の二人にあったような完全な愛がなければなりません。
アダムは、彼女の助言によって死をもたらされたにもかかわらず、地上に生きている間、イブを決して退けませんでした。
なぜなら、彼女が神の御力によって与えられた存在であることを知っていたからです。
✨ 離別の条件と、霊的な一致の道
ゆえに、完全な愛のゆえに、男は正当な理由がない限り、妻を手放してはなりません。
その理由とは、信仰の教会が認める場合のみです。
そして、彼らが共に心を合わせ、「この世を捨て、私たちのために苦しんでくださった御方に従いたい」と熱い愛をもって言えるのであれば──
そのとき初めて、彼らは共にこの世を離れて神に仕える決断ができるのです。
けれども、もし夫婦の間で意見が分かれ、どちらか一方がこの世を捨てることを望まず、一方は望むという状態であるならば──彼らは決して離れてはなりません。
それはまるで、血が霊によって生きる肉体から分離できないように、夫と妻もまた、霊のうちに一つとなって歩む存在だからです。
✨ 不貞とその後の歩み
しかし、もし夫または妻が不貞(姦淫)を犯した場合、そしてそれが本人または聖職者の手によって明らかにされたならば──
彼らは、霊的な指導権(教会)の正しい裁きを受けなければなりません。
夫が妻を、または妻が夫を、その罪に関して教会とその指導者たちの前で告白するべきです。
これは神の正義に従ったものであって、再婚を求めるためではありません。
彼らは、義なる結びつきを保つか、あるいは互いにそういった関係を絶つべきであり、教会の規律がそれを示しているのです。
そして、お互いを毒のように傷つけ合ってはなりません。
むしろ、純粋な愛をもって愛し合いなさい。
なぜなら、男女が存在するには、必ずこの神聖な絆(結婚)によって宿されなければならなかったからです。
これは、わたしの友パウロが証ししているとおりなのです。
キーワード解説
🔹 1. 「成熟した男女の結びつき」
- ヒルデガルトは、結婚とは霊的にも身体的にも“成熟”した者どうしの神聖な契約であることを強調します。
- 花が咲く時に耕すように、適切な時期と覚悟の中で行われる結びつきでなければならないという自然と調和した理解が背景にあります。
🔹 2. 「男は種を蒔く者、女は受け取る者」
- ここでは、生物学的な役割に神の秩序を重ねる形で表現されています。
- ただの生殖の説明ではなく、神が定めた構造の中での相補的関係として語られます。
- これは“支配”ではなく、“調和と役割の違い”というヒルデガルト独自の霊的象徴です。
🔹 3. 「石と土」
- 男性の強さと女性の感受性の関係を象徴する比喩。
- 石(硬さ)は保護や支柱の役割を、土(柔らかさ)は生命を育む役割を表します。
- 強さと受容が対立ではなく、結び合いとして描かれている点が重要です。
🔹 4. 「肉から肉を創られた一致」
- これは創世記の「女は男の肋骨から創られた」に基づく霊的解釈。
- 神が定めた結婚は、単なる契約ではなく“本質的な一体性”の回復であるとされます。
- ここでの「一つの肉」とは、霊と心と身体の統合された愛のかたちを意味しています。
🔹 5. 「信仰による別離の許可」
- ヒルデガルトは離別を原則的に否定しますが、信仰によって世俗を離れ、神に仕えるための一致した選択のみ許可されると述べています。
- それも一方的であってはならず、“一つの心で神に向かう”ことが条件です。
🔹 6. 「血と肉のように分かち難い関係」
- 夫婦の絆は、血と肉のように「霊が宿る限り分かつことはできない」。
- この比喩は、神が与えた一致を人間の都合で解いてはならないという霊的厳しさと尊厳を表しています。
🔹 7. 「不貞と教会の規律」
- ヒルデガルトは、不貞は神と人の秩序に背く重大な罪であると明言しながらも、その裁きはあくまでも教会の霊的秩序に基づくものであると説いています。
- ここでも再婚の自由は認められず、赦しと節制による再生の道を選ぶよう示唆されています。
🔹 8. 「お互いを毒蛇のように裂いてはならない」
- 夫婦間での非難や争いを“毒蛇のような裂き合い”と比喩することで、
関係性を壊す言葉や態度の危険性が強く警告されています。 - かわりに、「純粋な愛で愛し合いなさい」という霊的な姿勢が求められます。
🔹 9. 「人間の存在は、この絆なしにはあり得なかった」
- すべての人間は、男女の結びつき――すなわち神が定めた愛の絆の中から生まれた存在であるという根源的な真実。
- この言葉は、結婚を単なる制度ではなく、創造と存在の源に直結する神聖な契約として捉えるヒルデガルトの神学を象徴しています。
Message 12:この件についての使徒の言葉
本文
「女が男から出たように、男もまた女のためにある。しかし、すべては神から出たものである。」
(コリントの信徒への手紙一 11章12節)
この言葉が意味するのはこうです。
女は男のために創られ、男は女のために存在するのです。
女が男から出たように、男もまた女によって生まれます。
それは、彼らが子をもうけるという一致の行為において、互いに対立することがないようにするためです。
なぜなら、彼らは一つの働きの中で、一体となって働くべき存在だからです。
それはちょうど、空気と風が互いに混ざり合いながら働き、あらゆる緑のものに影響を与えるようなものなのです。
どういうことかといえば──
風は空気を動かし、空気は風に溶け込み、その動きによって、すべての生命あるものが育まれます。
このようにして、妻は夫と、夫は妻と協力し合い、子をもうけるという働きにおいて一致していなければならないのです。
だからこそ──
子をもうけるべき日々に、姦淫(不貞)によって分裂をもたらすことは、最も重く、最も悪しき罪とされるのです。
なぜなら、夫と妻が、自らの血をその正しい場から切り離し、異なる場所へと流してしまうことになるからです。
そのような者たちは、悪魔の欺きと、神の怒りを確実に招くことになるでしょう。
なぜなら、神が彼らに定めた絆を破ったからです。
──ゆえに、その罪が赦されなければ、彼らに災いあれ。
しかしながら、これまで語ってきたように、夫と妻が子どもにおいて共に働くのは確かであっても、夫も妻も、そしてすべての被造物もまた、最終的にはすべて、神の配慮と秩序から生まれた存在なのです。
なぜなら、神は御心に従って、彼らを創られたからです。
キーワード解説
🔹 1. 「女は男のために、男は女のために」
- これはコリント書の引用に基づく表現であり、男女が相互の存在を必要とする創造の秩序を示します。
- どちらかが上位なのではなく、相互依存と一致によって命の連鎖が成り立っているという視点です。
- ヒルデガルトはこのバランスを「神の意思にかなう関係性」として語ります。
🔹 2. 「子をもうけるという一致の行為」
- 夫婦の性的結合は、ただの肉体的関係ではなく、神聖な創造の協働として描かれています。
- それは霊的な意味においても、“神に与えられた役割を共に果たすこと”という使命です。
- ここには、子づくりの行為自体が祈りと同じほどの神聖な働きであるというヒルデガルトの思想が反映されています。
🔹 3. 「空気と風のたとえ」
- この詩的な比喩は、男女の協働の霊的構造を美しく表現しています。
- 風が空気を動かし、空気が風に溶け込むことで、生命が育まれる。
- このように、それぞれの役割が交わり合い、互いを活かす関係性が理想の結婚であると示されています。
🔹 4. 「姦淫による創造の断絶」
- 結婚関係以外で子をもうける(姦淫)ことは、“神の定めた血の流れを異なる場所に投じること”とされています。
- これはただの不道徳ではなく、“霊的創造秩序を壊す“最も重い罪”として扱われます。
- ヒルデガルトはここで、「命がどこから来るか」を深く問う構造をつくっています。
🔹 5. 「悪魔の欺きと神の怒り」
- 秩序に反する行為は、自ら神との関係を断ち、悪しき霊的影響の領域に身を置くことにつながる。
- ここでは、行為の背後にある“霊的選択”の重さが強調されています。
- ただの倫理規定ではなく、「魂が何に従っているか」の問題として扱われます。
🔹 6. 「赦されなければ災いあれ」
- 罪は重くとも、悔い改めと赦しの余地は常に残されていることも示されています。
- この言葉は裁きの恐れではなく、悔い改めへの強く優しい促しとして受け止められます。
🔹 7. 「すべては神から生まれた」
- この結びの言葉は、夫婦・子・被造物すべてが神のご計画の中にあることを確認するものです。
- “役割”や“罪”に意識が傾きがちな流れの最後に、神の愛と意志による創造の尊さが力強く置かれています。
- ヒルデガルトは、最後に“統合と神の普遍的秩序”で締めることで、すべてが神に帰属することを思い出させています。
🌿 まとめ|誘惑、結び、そして創造――神の秩序に生きるということ
メッセージ10から12では、ヒルデガルトは人類の原罪の瞬間から始まり、結婚という絆、命を生み出す営みの霊的意味へと語りを進めていきます。
これらのメッセージは、ただ歴史を語るものではありません。
いまこの瞬間にも、私たちが誰と結び、どのように選び、何を創り出すのか――
その霊的な責任と可能性を、ひとつひとつ問いかけてくるのです。
✨ 浮かび上がるテーマたち
- 🔹 言葉と感情が、魂を導く扉となる
- 悪魔が人間を欺いたのは、力ではなく「問い」と「感情」でした。
- イブの返答、アダムの愛、それらが結びつき、真理と偽りの境界線が揺らぐ瞬間に罪は始まったのです。
- 🔹 結婚は、神の光によってつながれた神聖な一致
- アダムとイブが「一つの肉」とされたように、男女の結びつきは、肉体だけでなく霊と意思の一致によって成り立つものです。
- 神を忘れた結合は虚しく、神の前で交わされた愛は、人生の終わりまで続くべき神聖な契約です。
- 🔹 生命は、二人の一致によって創られる“神との共同作業”
- 命は偶然ではなく、神の意志と人間の一致した働きによって生まれるもの。
- 空気と風が混ざり合い、緑を育てるように、夫と妻が心を一つにして子を迎えるとき、神の創造の力がそこに宿るのです。
- 🔹 背きは“断絶”を生み、赦しは“つながり”を回復させる
- 姦淫や不貞は、単なる倫理の問題ではなく、創造の秩序そのものを壊す行為とされます。
- しかしヒルデガルトは同時に、赦しと節制による回復の道も示してくれます。
- 神の意志に背いた者にも、悔い改めという光の扉は、まだ開かれているのです。
✨Vision II:「創造と堕落」に添えられた33のメッセージ
【メッセージ目次一覧】
Session.1 天使の忠誠とルシファーの堕落、地獄の創造
Message 1~3 誇りと忠誠の狭間で
Message 4-6 地獄・堕落・神の秩序
Session.2 地獄の存在、悔い改めの重要性、悪魔の欺瞞、結婚の神聖さ
Message 7-9 悔い改め・欺き・原罪
Message 10-12 誘惑・結婚・創造
Session.3 欲望の制御、近親婚の禁止、キリストによる償いの役割
Message 13 結婚・欲望・悔い改めと救い
Message 14-15 罪なき御子と魂の救い
Message 16-18 神の秩序と血の尊厳についての教え
Session.4 結婚における成熟と秩序、性の倫理、純潔の価値
Message 19-21 神殿の純潔と性の秩序
Message 22-24 貞潔と欲望のはざまで神とつながる道
Session.5 神のまなざしに照らされる人間の自由と責任
Message 25-27 創造の秩序と神の呼びかけ
Message 28-30 人間が試される理由と楽園の真意
Session.6 人間の救済と、謙遜と愛の重要性
Message 31-33 謙遜と愛の力で悪を砕く
※Scivias、またはヒルデガルドについては、こちらをご覧ください。
Scivias ― ヒルデガルトの神秘ヴィジョン集
※Scivias (英語版)原文:コロンビア大学https://www.columbia.edu/itc/english/f2003/client_edit/documents/scivias.html
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